タイミング法とは
タイミング法とは、医師が超音波検査(エコー)で卵胞の大きさを計測し、血液検査でホルモン値を確認することで排卵日を正確に予測し、妊娠に最も適したタイミングをお伝えする治療法です。
人の卵子は排卵後12〜24時間しか受精能力がなく、精子も子宮内で生存できるのは2〜3日程度です。このわずかなウィンドウを正確に捉えることが、妊娠への近道となります。自己流の基礎体温管理や市販の排卵検査薬だけでは把握できない卵胞の成熟度・子宮内膜の状態も、桂駅前 Mihara Clinicでは丁寧に確認します。
不妊治療の中でも身体への負担が少なく、費用も最も低く抑えられる治療法です。不妊治療の基礎を知りたい方はこちらもご覧ください。
(1周期あたり)
(AIHへステップアップの目安)
(健康保険)
来院回数の目安
タイミング法の妊娠率
原因不明の不妊症において、タイミング療法による1周期(月経周期)あたりの妊娠率はおよそ5%とされています。1回ごとの妊娠率は高くありませんが、回数を重ねることで累積妊娠率は上昇し、経過観察6ヶ月で約50%、24ヶ月で約60%に達して横ばいになると報告されています。
| 指標 | 妊娠率の目安 |
|---|---|
| 1周期(月経周期)あたり | 約5% |
| 累積(経過観察6ヶ月) | 約50% |
| 累積(経過観察24ヶ月) | 約60%(横ばい) |
出典:公益社団法人 日本産婦人科医会「タイミング(療法)」(Brandes M, et al. Hum Reprod 2011 / Wilcox AJ, et al. Hum Reprod 1998 を引用)
日本産婦人科医会「タイミング(療法)」
妊娠率は年齢に強く影響され、特に女性が35歳以上の場合は有意に妊娠率が低下します。また排卵日との関係では排卵の1〜2日前が最も妊娠しやすいことが知られています。タイミング法は身体的負担・費用が最も少ない治療法ですが、累積妊娠率が頭打ちになるおよそ1年を目安に、人工授精など次のステップへの移行を検討することが推奨されています。
排卵日の特定方法
桂駅前 Mihara Clinicでは以下の方法を組み合わせて、排卵日を正確に特定します。
超音波検査(エコー)による卵胞計測
経腟超音波検査で卵巣の卵胞を直接観察します。卵胞径が18〜22mm程度に成熟すると排卵が近づいているサインです。卵胞の大きさを測定することで、排卵の予測精度が大幅に向上します。また子宮内膜の厚さも確認し、着床環境を評価します。
血液検査(LHサージの確認)
排卵の直前にLH(黄体形成ホルモン)が急激に上昇(LHサージ)します。血液検査でLH値を測定することで、排卵のおよそ24〜48時間前を把握できます。また卵胞ホルモン(E2)値も確認し、卵胞の成熟度を総合的に判断します。
基礎体温との組み合わせ
基礎体温表をつけている方は、ご来院時にお持ちください。基礎体温は排卵後に体温が上昇するため「排卵済み」の確認に有用ですが、排卵前の予測には限界があります。桂駅前 Mihara Clinicの超音波・血液検査と組み合わせることで、より精度の高い判定が可能です。
hCG注射による排卵誘発
卵胞が十分に成熟した段階でhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)注射を行うことがあります。注射後約36〜40時間で排卵が起こるため、タイミングを確実にコントロールできます。特に排卵が不規則な方や LHサージが起こりにくい方に有効です。
市販の排卵検査薬との違い
専門医による排卵日予測の優位性
| 比較項目 | 市販検査薬 | 当院での指導 |
|---|---|---|
| 測定方法 | 尿中のLH検出 | 超音波+血液検査(LH・E2) |
| 卵胞成熟度 | 分からない | 卵胞径で直接確認 |
| 子宮内膜 | 分からない | 厚さを確認 |
| 排卵誘発 | できない | hCG注射でコントロール可能 |
| 卵管・卵巣異常 | できない | 早期発見が可能 |
| 費用 | 2,000〜3,000円(市販品) | 数千円〜1万円(保険3割) |
排卵誘発剤について
排卵誘発剤は、卵胞の発育を促進し確実な排卵を促す薬です。すべての方に使用するわけではなく、医師が卵巣の状態を確認した上で必要な場合に処方します。
クロミフェン(内服薬)
最もよく使用される排卵誘発剤です。月経3〜5日目から5日間内服し、脳下垂体に作用して卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促します。比較的副作用が少なく、保険適用で使用できます。
- 効果:排卵を確実にし、卵胞の発育を整える
- 主な副作用:子宮内膜が薄くなる場合がある(長期連続使用時)、ホットフラッシュ、気分の変動
- 多胎妊娠のリスク:約5〜10%程度(主に双胎)
ゴナドトロピン製剤(注射)
クロミフェンで効果が不十分な場合や、より確実に卵胞を育てたい場合に使用します。直接卵巣に作用するため効果が高い反面、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがあるため、慎重な管理が必要です。
1周期の治療の流れ
初診・ベースライン検査(月経3〜5日目)
ホルモン検査(FSH・LH・E2・AMHなど)と超音波検査を行い、卵巣機能と子宮の状態を把握します。AMH検査で卵巣の予備能力を確認することもあります。治療方針をご説明します。
排卵誘発(月経3〜7日目・必要な場合)
クロミフェン等の排卵誘発剤を処方する場合は、この時期から内服を開始します。すべての方に使用するわけではありません。
卵胞モニタリング(月経10〜12日目頃)
超音波で卵胞の発育を確認します。卵胞径が16〜18mm程度に達した段階で次のステップへ進みます。必要に応じて血液検査も行います。
排卵日の予測・タイミング指導
卵胞の大きさとホルモン値から排卵日を予測し、最適なタイミングをお伝えします。必要に応じてhCG注射を行い、排卵を確実にします。注射後の排卵タイミング(約36〜40時間後)も具体的にご案内します。
排卵確認・黄体期サポート
タイミング後に超音波検査で排卵を確認します。必要に応じて黄体ホルモン補充を行い、着床環境をサポートします。
妊娠判定(排卵から約14日後)
血液検査または尿検査で妊娠の有無を確認します。妊娠された場合は超音波で胎嚢・心拍を確認し、産婦人科へご紹介します。
タイミング法の限界と次のステップ
タイミング法はすべての方に有効というわけではなく、以下のような場合は効果が期待しにくい場合があります。
- 卵管に閉塞や癒着がある場合(精子が卵管を通れない)
- 精子の数や運動率が著しく低い場合
- 子宮内膜症が重度の場合
- 排卵障害が重度の場合
人工授精(AIH)へのステップアップの目安
以下の場合に、人工授精(AIH)へのステップアップをご提案します。
- タイミング法を3〜6周期行っても妊娠しない場合
- 年齢が38歳以上で早期妊娠を希望する場合
- 精液検査で軽度の精子問題が見つかった場合
- 頸管粘液が少なく精子の通過が難しい場合
年齢が高い場合は治療可能な時間が限られるため、早めのステップアップをお勧めすることがあります。いたずらに治療を長引かせず、お一人おひとりの状態と希望に合わせた最適なタイミングで判断します。
治療法の比較(タイミング法・AIH・IVF)
タイミング法は不妊治療の入口です。身体的・経済的な負担が最も少ない方法から始め、必要に応じてステップアップする段階的な治療が基本です。
| 治療法 | 妊娠率の目安 | 身体的負担 | 費用目安 (3割負担) | 適応 |
|---|---|---|---|---|
| タイミング法 | 5〜12% | 低い | 数千円〜1万円 | 妊活初期・軽度不妊 |
| 人工授精(AIH) | 5〜15% | 低〜中 | 1〜3万円 | タイミング法不成功・精子に問題がある |
| 体外受精(IVF) | 20〜40% | 高い | 30〜50万円(自費) | 重度の不妊・38歳以上・卵管閉塞 |
※妊娠率は年齢・個人の状態によって大きく異なります。費用は目安であり、受診内容により変動します。
桂駅前 Mihara Clinicのタイミング法
身原病院グループの専門医が担当
京都府下の産婦人科グループである身原病院の専門医が診察します。豊富な不妊治療経験を持つ医師による精密な排卵日予測で、限られたタイミングを最大限に活かします。
阪急桂駅からすぐ・夜間診療あり
阪急桂駅から徒歩約1分、桂オーエスプラザビル内のクリニックです。火・木曜は19時まで診療しており、お仕事帰りにもご来院いただけます。周期に合わせた来院が必要なタイミング法でも、通いやすい環境です。
ステップアップへの明確な指針
タイミング法で3〜6周期結果が出ない場合は、人工授精(AIH)へのステップアップをご提案します。さらに必要な場合は、身原病院での体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)への移行もスムーズに対応しています。
費用(保険適用)
タイミング法は保険適用(3割負担)で受けていただけます。自己負担額の目安は以下の通りです。
| 内容 | 3割負担の目安 |
|---|---|
| 超音波検査(卵胞モニタリング) | 約1,000〜2,000円 |
| 血液検査(ホルモン値確認) | 約1,000〜3,000円 |
| クロミフェン(内服・使用する場合) | 約200〜500円 |
| hCG注射(必要時) | 約500〜1,000円 |
| 黄体ホルモン補充(必要時) | 約500〜1,500円 |
| 1周期合計(目安) | 数千円〜1万円程度 |
※費用は受診内容・検査項目により異なります。詳細は費用・保険適用のページをご覧ください。
よくある質問
タイミング法の妊娠率はどのくらいですか?
1周期あたりの妊娠率は約5%が目安です(日本産婦人科医会)。回数を重ねることで累積妊娠率は上がり、経過観察6ヶ月で約50%、24ヶ月で約60%とされています。35歳以上では妊娠率が低下するため、約1年を目安に人工授精などへのステップアップを検討します。
何周期くらい続けたほうがいいですか?
通常3〜6周期を目安にしています。この期間に妊娠に至らない場合は、人工授精(AIH)へのステップアップをご提案します。年齢が38歳以上の方や、検査で軽度の問題が見つかった場合は、早めのステップアップをお勧めすることもあります。
市販の排卵検査薬でも同じことができますか?
市販の排卵検査薬はLHサージを検出しますが、卵胞の成熟度や子宮内膜の状態は分かりません。桂駅前 Mihara Clinicでは超音波検査と血液検査を組み合わせることで、より正確なタイミングを特定できます。また必要に応じてhCG注射で排卵を誘発することも可能です。卵管や卵巣の異常なども早期に発見できます。
排卵誘発剤は必ず使うのですか?副作用が心配です。
排卵誘発剤はすべての方に使用するわけではありません。医師が卵巣の状態を確認した上で、必要と判断した場合のみ処方します。主にクロミフェン(内服)を使用します。副作用として子宮内膜が薄くなる場合(連続使用時)、ホットフラッシュ、多胎妊娠のリスク増加(約5〜10%)があります。担当医が状態を見ながら慎重に使用しますのでご安心ください。
初診はいつ来院すれば良いですか?
月経3〜5日目の来院が理想的ですが、まずはいつでもご予約いただけます。月経周期に合わせた治療計画をご説明します。WEB予約またはお電話(075-394-3111)でご予約ください。
不妊検査から始めることはできますか?
タイミング法から人工授精へのステップアップはいつ頃ですか?
一般的にタイミング法を3〜6周期行っても妊娠しない場合に、人工授精(AIH)へのステップアップを検討します。ただし年齢が高め(38歳以上)の方や、精液検査で軽度の問題がある場合は、より早いステップアップをお勧めすることがあります。担当医と一緒に、お一人おひとりの状況に合わせた判断をします。
治療中も仕事は続けられますか?
はい、多くの方がお仕事をしながら治療を継続されています。タイミング法は1周期あたり2〜3回の来院が目安ですが、火・木曜は19時まで診療しており、お仕事帰りにも受診いただけます。排卵日前後の来院日程はある程度予測できるため、事前にスケジュールを調整しやすい治療法です。
タイミング法は何歳まで有効ですか?
年齢が上がるにつれて卵子の質・数が低下するため、一般的に35歳未満の方が最も妊娠率が高くなります。35〜39歳でも有効ですが、38歳以上の方は治療できる時間が限られるため、3〜4周期で結果が出ない場合は早めのステップアップをご提案しています。年齢に関わらず、まずはご相談ください。
京都府の不妊治療助成金はタイミング法でも使えますか?
2022年4月より、タイミング法は健康保険が適用されるため、保険診療として受けていただけます。京都府・京都市の不妊治療助成制度については、対象となる治療内容が制度改正に伴い変わっている場合がありますので、詳細は窓口またはお電話(075-394-3111)にてご確認ください。
最終更新:2026年5月28日 監修:桂駅前 Mihara Clinic 医師
